「医学部女性受験生への差別問題に対するアピール文」を発表しました。

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第61回全国医学生ゼミナールを弘前大学の主幹として開催し「私たちはどう働くか~医療者と国民の健康が守られる社会へ~」をテーマに議論を重ねました。

今年の医ゼミの準備期間中、テーマに沿って医療者の労働環境について学習していた最中に東京医科大学の入試における女性受験生への差別が明らかになりました。医ゼミではこの問題を受けて、医療系学生として声をあげることが重要であると考え、今回「医学部女性受験生への差別問題に対するアピール文」を発表しました。



医学部女性受験生への差別問題に対するアピール文
                          

東京医科大学は2011年から医学部医学科の一般入試で、女性受験者の得点を一律に減点し、女性合格者数を抑えていました。これは、2010年度の一般入試で女性合格者が全体の4割強と急増したことがきっかけで、「女性は結婚や出産を機に離職することが多い。男性医師が大学病院を支えるという意識が学内に強い」と大学関係者は説明しています。

この問題を、第61回全国医学生ゼミナールin弘前全国準備期間参加者で学び、次のような感想が得られました。

  • 女性の離職(女性医療者)⇒「女医を減らして男医を増やそう。」 安直で簡単だが、著しく女性の尊厳も傷つける行為。
  • 受験生の側からすれば、人生をかけて一年間(それ以上)勉強してきたのに性別によって差別するのは怒りや戸惑いを隠せないのは当然だと思う。一方で、便宜を図った官僚の子供を合格させるという行為もあり、大学の行為もあり、大学の姿勢自体に疑問を感じる。
  • 現場での女性医師に対する差別意識を女子学生のみ一律減点というシステムが助長しているひどい内容だと思いました。
  • 他大学でも面接で女子学生に対して出産結婚後をどうするかをきく大学は多く、男性でも結婚育児に参加できる環境が整っていないということは日本全体に言えることだと思いました。
  • 「女性はやめるから」この理由のみで医師を志す女子学生のチャンスが奪われていたのかと思うと、まぎれもない差別だと感じる。自民党の杉田議員が「LGBTのカップルは生産性がない」と言ったことにも通じるものがある気がしていて、女性だからやめる=生産性がないという捉え方をされたのかな。何を「生産」していたら「生産性がある」と言うのだろう。
  • 医学部に入学したいと時間もお金も多くかけて勉強してきた受験生が「女子」だからという理由だけで、一律に、公平に評価されて当たり前な筆記試験の点数にまで減点・調整をかけるなどということが存在していたことが許せない。
(感想文より一部抜粋)


これらの感想からこの明らかな性差別に対して憤りや疑問、無力感を感じる学生が多くみられました。「医師になりたい」「医学を学びたい」という思いを性別によって制限することは、人権をないがしろにする行為であり、あってはならないことです。私たちは、今回の性差別的な入試不正に抗議し、高等教育機関としての大学の誠実なあり方を求めます。

また他にも、「面接では『結婚、出産どうするのか』と聞かれた女子が多かったと思う。私も聞かれた。」「やっと女性に対する差別が表面化したと感じた。」「入試の面接で『あなたは女性だけど、結婚や出産をしてもつづける気がある?』ときかれた。」という意見がありました。このことから、東京医科大学にとどまらず、他大学や社会全体にも依然としてこのような差別的な考え方が潜在的にあることが示唆され、それが今回「入試不正」という形で表面化したのではないかと考えました。私たちは、他大学における同様の性差別の有無を明らかにすること、今後一切入試や大学における性差別、不正をなくすことを求め、私たちも将来医療者になるものとして、性別を含めるあらゆる差別に抗議し、このように人権をないがしろにすることのない社会を目指します。

東京医科大学は、女性の離職率が高いという現状認識をしていながら、医師の労働環境を改善するために法や制度を整備するよう働きかけるのではなく、女性受験生を「女性である」ことを理由に一律に得点を減点することで入試において制限していました。本件を通して、出産・育児を女性だけの問題とする性差別の現状、出産・育児で離職せざるを得ない支援体制の不足、休暇取得により危機的状況になりうる脆弱な医師体制と絶対数不足など、医療現場の抱える複数の課題が顕在化しました。これらの解決なしには、どの医師にとっても働きやすい環境づくりの推進にはつながりません。私たちは全国医学生ゼミナールの場における学び・交流を通して理想の働き方を絶えず追究し、地域社会や行政、大学、各病院と協働して、安心して働ける労働環境の整備がされるよう、働きかけていきます。

2018年8月12日
                        
第61回全国医学生ゼミナールin弘前
参加者一同

 

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